[8] サブ・モジュールの作成
 サブ・モジュールとは,システムを階層構造で構成するためのもので,あるまとまった回路機能をサブ・モジュール化して別のモジュール内で利用できるようにするものである.最上位モジュールtopの中にあるmylogicも一つのサブ・モジュールである.
 サブ・モジュールの作成には回路図の作成(.schファイル)とシンボルの作成(.symファイル)の2つの作業をおこなう.シンボルは上位の階層で回路図を描くときの部品形状と接続端子(I/Oマーカー)を定義するものである.
 サブ・モジュールの作成手順はおおまかに次のようになる.

   【回路図の作成】
    ー部品の配置
    ー配線(モジュール外部と接続する配線も描く)
    ー端子(I/Oマーカー)の配置と名前の変更
   【シンボルの作成】
    ーシンボル・ウィザードによる作成
    ー手作業による作成 (任意の図形を描けるが省略する)

@サブ・モジュールの回路図の作成
 ISEを起動した後,メニューから Project → Add Source... を選択する.



<図20 回路図の新規作成>

 新規作成ファイルの種類とファイル名を問い合わせるウィンドウが開くので,種類は Schematic を選択する.ファイル名は拡張子を .sch とする(自動で付加される).



<図21 新規作成ファイルの種類/ファイル名の入力>

 設定後,[Next] ボタンをクリックする.次に確認のウィンドウが現れるので,間違いないか確認して [Finish] ボタンをクリックする.

A回路図の入力
 先に説明した手順で回路図を描く,外部と接続する端子に接続する配線も描く.



<図22 サブ・モジュールの回路図を描く>

 部品の端子に直接I/Oマーカー(ポート)を接続できないので,I/Oマーカーと接続する信号線も描いておく.

BI/Oマーカー(入出力ポート)の配置
 I/Oマーカーの配置は,まずスピード・ボタンをクリックする.次に入力ポートか出力ポートかを指定する.その後,回路図エリアで所定のラインに配置する.ポートの名前は後で修正するので,この時点ではそのままでよい.  



<図23 I/Oマーカーの配置>

 次に,I/Oマーカーの名称を変更する.I/Oマーカーを配置した時点で自動的に名称が付けられるが,そのままでは意味の無い名称なので変更する.
 まず,名称変更したいI/Oマーカーをダブル・クリックする.右のウィンドウが現れるので, Name 欄の Value を変更し, [OK] ボタンをクリックする.
 PortPolarityはポート極性(入力出力か)のなので,変更しないこと.





<図24 I/Oマーカーの名称変更>



<図25 I/Oマーカー名称の変更後>

 以上の変更を終えたら,エラー・チェックをおこない,回路図を保存する.

Cシンボルの作成
 次に,回路図に対応するシンボルを作成する.メニューより Tools → Symbol Wizard を選択する.



<図26 シンボル・ウィザードの起動>

 ソース・ページ・ウィンドウが現れるので Using Schematic を選択し,サブ・モジュールのファイル名を入力する.



<図27 シンボル作成元情報ファイルの指定>

 以下,各種の確認・変更のウィンドウが現れるが,通常,デフォルトのままでよい.



<図28 端子属性の確認・変更>



<図29 シンボルの形状の確認・変更>



<図30 シンボルの最終確認>

D作成したサブ・モジュールの回路図エディタ上での使用
 作成済みのサブ・モジュールは回路図エディタ・ウィンドウの Symbols タブ上に追加されている.Add Symbol ボタンをクリックし,カテゴリ・ウィンドウで作業フォルダを指定し,シンボル・ウィンドウでサブ・モジュールを選択して配置する.



<図31 作成済みシンボルの選択と配置>



<図32 サブ・モジュールの配置と配線>



<図33 階層構造の確認>